ここにしかない風景、文化芸能、食や体験と、そこで出会う人々との交流。
沖縄には「イチャリバチョーデー」(一度会えば皆兄弟)という言葉があります。
沖縄で出会う人々とゆんたく(おしゃべり)して、元気になれる旅をしませんか。
島さんぽと絶景温泉に癒される
朝の新鮮な風に吹かれながら深呼吸。
南城市玉城(たまぐすく)の南東にある奥武島(おうじま)は、沖縄本島と150mの橋で結ばれている周囲1,600mの小さな島。海に囲まれた開放感たっぷりの奥武島をぶらっと一周散歩してみる。
釣りをしている親子がいる。「何が釣れますか?」と聞いてみる。
「ミジュン(ミズン)が釣れるよ」小学生の男の子が答えてくれた。
「今日はまだ釣れないけどね」お父さんが笑う。
奥武島は天ぷらが有名で、天ぷら屋さんには行列ができるほど。沖縄では天ぷらはおやつ感覚で食べられているそうだ。
天ぷら屋さんのおばちゃんが、「揚げたてを持って行きなさい。もうすぐできるから、ちょっと待ってね」と明るく声をかけてくれる。
さらに、「しーぶん!おまけって意味だよ」と1個サービスしてくれた。衣が厚いてんぷらを、海を眺めながら頬張る。
「ニャー」
声の方を見たら猫が寄って来た。
島の人は明るく、猫に癒される、のどかでゆったりした時間が心地よい。
散策を楽しんだ後は、温泉で日頃の疲れを癒す。
海を一望できる絶景を眺めながら、源泉かけ流しのお湯に浸かり、ゆっくりと流れる贅沢な時間を堪能する。
おもてなしのルーツと熟成される古酒(クース)
国立劇場おきなわで組踊※1(くみおどり)を鑑賞。
鮮やかな衣装と荘厳な音楽が美しい。
元々組踊は琉球王国時代、中国から来た冊封使を歓迎する宴で演じる芸能だったのだそう。
琉球王国時代から受け継がれている“おもてなし”のルーツを今も感じることができる。
※1沖縄の歌三線(琉球古典音楽)、唱え(となえ・琉球古語を中心とした詞章)、踊り(琉球舞踊)が融合した総合芸術。
さらに違う文化にふれようと北上。
沖縄本島北部の金武(きん)鍾乳洞にやってきた。
神秘的な鍾乳洞に古酒蔵があり、旅の想い出にボトルキープサービスができるというのだ。
親切なスタッフが泡盛の楽しみ方をいろいろと説明してくれて、早速5年貯蔵を申し込む。5年後飲む古酒はどんな味だろう。
また沖縄に来る楽しみができた。
「熟成されるのが楽しみですね」優しい笑顔のスタッフにまた会えることも願いながら。
味わいのある通りとごはんとゆんたく
歴史あるお店と新しいお店が入り混じった味のあるアーケード、サンライズなは。 ぷらっと立ち寄ったお店へ入ると「どこから来たの?」とおばちゃんが気さくに話しかけてくれる。
その少し先へ行くと、おしゃれなファッション関係のお店や雑貨屋さん、カフェが並ぶ浮島通り。
交差する2つの通りをぶらぶら歩き、素朴さと新しさが入り混じった雰囲気を味わいながら、気になった料理店に入る。
沖縄の料理と言えば、沖縄そば、ゴーヤーチャンプルーが有名だけど、他にもヤギ料理や島野菜を使った地産地消、身体に良いものを取り入れた料理がある。
気さくに話してくれるお店の人の言葉は興味深い。
「てぃーあんだ」は料理に手間をかけ愛情を込めることで、「ぬちぐすい」は命の薬と書く。まさに、医食同源。沖縄の人の食に対する考えは深い。
隣り合ったお客さんとの話も弾む。
帰り際、「お客さんとゆんたくできて楽しかったさー」とお店の人が見送ってくれた。 ゆんたく?おしゃべりって意味だっけ。
お腹だけでなく心も満たされた沖縄の夜。
地元の人々の明るさ、人柄にふれ、各地で聞いた沖縄のイントネーションや言葉にも、新鮮だけどどこか懐かしくも感じた沖縄の旅。
あの時、あの場所で出会ったあの人に、また会えることを願いながら。