連載・おきなわ41物語/本物の沖縄体験に出会える村!東村
- 掲載日:
- 2024.06.19
41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。
地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?
マングローブ林やパインアップル畑が広がる村
沖縄本島北部の東海岸に位置し、パインアップル畑が広がる素朴な風景と、貴重なマングローブ林が生い茂る慶佐次湾の景観が魅力の東村。都会の生活では体験できない、やさしい自然に出会える場所です。森や川での自然体験を推進する「エコツーリズム」の草分け的存在で、現在はマリンアクティビティや漁業体験のブルーツーリズム、農業体験や民泊・文化交流体験のグリーンツーリズムまで、多様な旅の楽しみ方のできるところです。
INDEX
| Access |東村までの行き方
■お車の場合
・源河コース(西海岸)
那覇からは国道58号線、又は沖縄自動車(有料)を名護市許田向けに北上し、名護市源河で右折、山越えルートの県道14号線を約8キロメートル走ると東村有銘に到着します。山越えの途中、下りで太平洋と有銘湾がご覧になれます。
・大宜味コース(西海岸)
源河を通り過ぎ、さらに辺土名向けに北上すると右側に『道の駅おおぎみやんばるの森ビジターセンター』が見えてきます。
ビジターセンターを約100メートル過ぎた所にある宮城橋の手前を右折し、県道9号及び国道331号を約8キロメートル走ると東村平良へ到着します。
・二見コース(東海岸)
東海岸沿い(太平洋側)は、国道329号を北上し、名護市二見入口から右折し、国道331号をさらに北上し東村へ到着。
(注意)名護市より26キロメートル(約40分)
■バスの場合
・那覇バスターミナル → 名護バスターミナル 20・21・120・111番 (注意)111番は高速バス
・名護バスターミナル → 源河・白浜入口 67番(辺士名線)
・源河 → 平良(1便のみ高江まで) 東村コミュニティバス
・白浜入口 → 平良 東村コミュニティバス
※コミュニティバスの運行についてはこちら
| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください
東村は「やんばる」と呼ばれる沖縄本島北部、東海岸に位置する縦に細長い村で、その総面積の約73%は森林で、その森林を源とした大小14の河川が流れていますが、そんな自然豊かな東村の魅力をもっともっと知りたい!今回は東村を知り尽くした東村役場のみなさんに、こんな質問をしてきました。
「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」
この問いに答えてくれたのは、東村役場企画観光課の高橋 明子さんと與古田 惟仁さん。
「東村の魅力は、観光地化されていない豊かな自然!そしてその自然の中で豊かな暮らしをする村民の人たちが好き!」と語る高橋さん。「つつじ祭りの時期、高台から東海岸を眺めた時の景色が好き!8月3日(土)には、東村夏祭りが福地ダム夏休み自然体験会と共催で開催されます。是非東村にお越しください!」と語るイベント担当の與古田さん。
ということで今記事では、お二人おすすめの東村を紹介して行きたいと思います。
高橋 明子 さん(左)、與古田 惟仁 さん(右)
東村役場企画観光課
高橋 明子 さん
東京都生まれ。総務省「地域活性化起業人」の取組で、大手旅行会社から東村役場企画観光課に出向中。つつじエコパークに駐在し、東村ふるさと振興株式会社の運営サポートや各種イベントの企画を行う。その他、サンライズひがしの運営サポートや東村産パインアップルのPR業務、SNS等を使った情報発信体制の充実等の業務も担う。
與古田 惟仁 さん
那覇市生まれ。小6の時家族で東村に引っ越す。昨年から東村役場企画観光課に配属され、イベントや新たな観光コンテンツの開発を担当する。実家も民泊家庭として、修学旅行生や観光客を受け入れており、家族ぐるみで東村の観光振興に邁進中。
東村役場企画観光課おすすめ①
自然・文化体験にトライ!
東村役場企画観光課おすすめ②
沖縄県のダムで最大!福地ダム
東村役場企画観光課おすすめ③
パイン求め県内外から人が集まる「東村 道の駅 サンライズひがし」
東村役場企画観光課おすすめ①自然・文化体験にトライ!
NPO法人 東村観光推進協議会
東村の観光窓口として平成17年に任意団体として設立され、平成22年に特定非営利活動法人(NPO)として組織化。自然体験のエコツーリズム、マリンアクティビティや漁業体験のブルーツーリズム、農業体験や民泊、文化交流体験のグリーンツーリズムの3つのツーリズムを柱とし、豊かな自然環境を活かした体験型・交流型観光の開発と、自然環境の保全活動や勉強会等を行っている。
- 住所
- 東村字慶佐次 54-1
- TEL
- 0980-51-2655
自然・文化体験にトライ!
マングローブカヌーツアー
天然記念物指定の沖縄本島最大級マングローブ林をカヌーで自然探検!お子様と二人乗りOK!
マングローブは川の水と海の水が交じる場所に生えている植物。東村にある慶佐次湾のヒルギ林は国指定天然記念物に指定され、沖縄本島内では最大の広さを誇ります。マングローブカヌー体験は、カヌーからヒルギ林とその中に生息しているさまざまな生き物を至近距離でじっくり観察することができる人気の体験メニューです。
■出発地:東村ふれあいヒルギ公園(国頭郡東村字慶佐次54-1)
やんばるナイトネイチャーウオッチ
ヤンバルクイナも見れるかも!?子供も大人もナイトわくわく探検!
最初にやんばるの森や、行われている自然保護の活動のレクチャーを受けます。やんばるの森一帯は「やんばる国立公園」に2016年指定、世界自然遺産となっている貴重な地域。環境省が行っている環境・希少生物保護の一環として定期的に夜間巡回が行われています。この体験はこのパトロールルートを実際に回り、生物を探していきます。運がよいと木の上で寝ているヤンバルクイナを見れるということでわくわくが高まります。
出発地(集合場所):東村観光推進協議会平良事務所(国頭郡東村平良809-1)
【秘境ツアー】シャワークライミング
やんばるの清流で非日常のアドベンチャー!国立公園の自然を遊び倒そう!!
集合場所の福地川海浜公園でツアーを案内してくれるガイドさんと合流し、最初にレンタルのウェットスーツ・マリンブーツのフィッティングをした後、カヌーの出発地である福地ダムまで移動。沖縄県内最大の福地ダムを目の前にすると、ワクワク感の高まりが止まらない!!
湖の対岸にたどり着くと、このツアー専用の秘境の沢が私たちを待っていました。カヌーでしかアクセスできない自然度満点のこの沢は、きれいな水が流れるその脇に、ヒカゲヘゴやシダなどの亜熱帯植物や渓流植物が生える、まったくの非日常空間。ガイドさんの案内で自然を味わいながら一歩一歩進んでいくうち、腰まで水につかって通り抜けるポイントや、小さな滝のようになった岩を登っていくシーンもありました。
■出発地(集合場所):福地川海浜公園(国頭郡 東村川田334)
沖縄にこんな秘境があったんだね!!シャワークライミングツアー
民泊体験(比嘉さんのおうち)
本格的な三線、琉装、沖縄料理を体験できる民泊。おいしい手料理に舌鼓!
集合場所から車で約5分、門構えの立派な家の玄関で「いらっしゃい、いらしゃい」と、温かく迎えてくれるのは、お父さんの勝正さんとお母さんの艶子さん。広々とした居間には、沖縄代表的な楽器三線がずらり。師範の資格を持つ勝正さんは村内の公民館で三線を教え、また艶子さんは琉球舞踊と料理の達人です。
新着情報!! 福地川海浜公園の隣接地にコテージ型ホテル8月1日(木)開業予定!!
NPO法人東村観光推進協議会は、東村の豊かな自然を体験できる宿泊施設「ヤンバルエクスペリエンス ホテル ヌンガニク」を整備中で、8月1日(木)開業予定です。ホテル名のヌンガニクは整備中の地域の昔からの地名に由来します。
ホテルは、福地川海浜公園の隣接地に整備中で、宿泊できるコテージ6棟とチェックインなどを行う共有棟1棟で構成されています。
客室数はツイン4室、シングル16室の計20室で、部屋のウッドデッキではバーベキューや星空観察を楽しむことができます。
東村に滞在して本物の沖縄体験をしてはいかがでしょうか。
東村役場企画観光課おすすめ② やんばるにそびえる県内最大のみずがめ福地ダム
福地ダムの魅力について松田さんが紹介します!
福地ダムの特徴①やんばるにそびえる県内最大のみずがめ
沖縄には国の管理する多目的ダムが9つあります。(下図参照)このうち一番大きいのが福地ダムで一番小さいのが新川ダムで共に東村にあります。
さらに、北部5ダム(福地、新川、安波、普久川、辺野喜ダム)は調整水路(トンネル)で結ばれています。
これはひとつひとつのダムをそれぞれに管理するより、5つのダム全体をひとつのダムと考えて水の量を調整した方が、もっとも有効的に水を貯留することができるからです。
福地ダムの特徴②2か国で作ったダムは日本でここだけ!
福地ダムは、もともと琉球列島米国民政府が計画し、1969年に米国陸軍工兵隊によって着工されましたが、1972年の沖縄の祖国復帰に伴い工事途中で日本政府へ承継されて工事を継続、1974年に完成しました。この経緯を刻んだ福地ダム日米承継記念碑が建てられています。工事が日本政府に承継されたのち、日米の安全基準の違いから広げたり勾配を緩くしたりの工事を実施したそうです。沖縄ならではのエピソードです。
福地ダムの特徴③様々なダムツーリズム
ダム湖での自然観察船(ゴンミキ号)の運航
沖縄県最大のダム「福地ダム」で豊かなやんばるの自然を満喫できる沖縄初のダム湖専用遊覧船。
2021年に登録された世界自然遺産エリアにも潜入!奇跡の森やんばるが織りなす亜熱帯照葉樹林ウォッチングを楽しめます。
ダム湖でのカヌー体験
沖縄県最大のダム湖の湖面でのんびり優雅な時間をすごそう。潮や波の影響を受けず、日常から切り離されたプライベート空間を楽しめます。
ダムカード・ダムインフラカード
沖縄県内における国が直轄で管理している9ダムにおいては、訪問した方を対象に配布しています。
9ダム周遊マップ
各ダムの位置関係も分かりやすくした、やんばるの9ダムへの道順をご案内しています。ダムを巡るときや、周辺の位置確認などにご利用できます。
福地ダムの特徴④8/3(土)同時開催!福地ダム夏休み自然体験会&東村夏祭り
7/21(日)~7/31(水)は国土交通省及び林野庁が定める「森と湖に親しむ旬間」です。森林やダム・河川に親しんでいただくために、全国各地でイベントを開催され、沖縄県内でも「ダムまつり」が開催されます。
福地ダムでは、8/3(土)自然体験会が実施されます。同日、東村夏祭りも開催されますので、8/3(土)は東村が1年で一番熱い日になります。
福地ダム
【型式】ロックフィルダム
【堤高】 91.7m
【堤頂長】 260m
【総貯水容量】55,000,000m³
【駐車場】73台
【カード配布時間】8:30~17:15
- 住所
- 沖縄県国頭郡東村字川田中上原
東村役場企画観光課おすすめ③東村 道の駅 サンライズひがし
東村は『花と水とパインの村』とキャッチコピーに掲げる、県国内でも有数のパインの生産地です。東村 道の駅 サンライズひがし では、東村の特産品、パインやパインを使った加工製品、東村産ハーブを使用した天然コスメなど、東村の特産品・加工品を販売しています。
東村 道の駅 サンライズひがしについて儀間さんが紹介します!
儀間 紀章 さん
東村 道の駅 サンライズひがし 駅長
宮古島出身。奥様が東村出身で14年前に東村に移住。
パインアップルの生産経験はなく、最初は手探りで、一つ一つパインアップル農家さんから教えてもらう。パインアップル以外の農産物や植物を農家さんから納めてもらったり、オリジナルグッズを製造販売したりと、改善を重ね売り上げも安定し、3年前に「道の駅」に認定され現在に至る。
東村 道の駅 サンライズひがしには東村産のパインアップルが並びます。全部で9種類くらいのパインアップルを農家さんは栽培していますが、時期によって食べ頃が違います。この時期はハウスパインやスナックパインが店頭に並んでいます。試食もできます。
儀間店長おすすめは、東村産「ゴールドバレル」!芯までやわらかく甘みと酸味の絶妙なバランスのパインアップルです。東村ではこのゴールドバレルの栽培に力を入れており、ゴールドバレル研究会を立ち上げ努力しています。一つの成果として、糖度の基準を設け、一定数以上でないと出荷をしないという取り組みを行っています。つまり、東村 道の駅 サンライズひがしで販売されているゴールドバレルは、甘さが保証されているという事なのです!
ゴールドバレルの食べ頃は、6月中旬から7月いっぱい。この時期に東村に行かれる方は、是非東村 道の駅 サンライズひがしに立ち寄って、甘いゴールドバレルを味わってみてはいかがでしょうか。
店内にはその他、東村産パインアップル100%!砂糖・添加物一切不使用のパインフローズンが!パイン本来の甘みと酸味が味わえます。また、その時期に収穫したパインアップルのカットパイン販売もあります。
東村 道の駅 サンライズひがしでパインアップルを試食し、お土産をゲットしたら、併設されているお食事処東ぬ浜(あがりぬはま)で腹ごしらえ。今日は沖縄そばの麺を使った牛焼きそばとおふくろの味フーチャンプルをいただきました。
出荷シーズンでなくても東村のパインが食べたい!という時にオススメなのが、サンライズひがしオリジナル商品のパイン缶詰”サンライズスウィート”。こちらのパインは、パイン本来の味をできるだけ生かしたいと、砂糖を少なめにしたライトシロップに漬けています。使っているパインは、夏場の甘い時期に収穫したもの。数量限定で販売しています。
| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン
【東村】本物の自然・文化体験にトライする2泊3日
いままでやりたかった本物の自然・文化体験にトライ!
世界自然遺産・やんばるの森が広がる東村には豊かな大自然を満喫するネイチャー体験が満載。村内に宿泊し、希少な生き物に出会う夜の体験も。村の暮らしを身近に感じられる民泊体験も楽しみ!
| comment |東村役場企画観光課からのメッセージ
東村役場企画観光課
薫る百年潤す千年 東村制100周年
2023年4月1日に村制施行100周年を迎えた東村。”薫る百年潤す千年 東村制100周年”をキャッチフレーズに、豊かな自然の中で輝く村をめざし、笑顔あふれる元気な「東村」の未来へつなげます。是非そんな東村にお越しください!
| 編集後記 |おきなわ物語編集部
今回お伺いしたのは、2023年4月1日に村制施行100周年を迎えた東村。村制施行100周年おめでとうございます。
東村のキャッチコピーは「花と水とパインの村」ですが、今回の取材で特に印象的だったのは、「水」でした。それは、海の水・川の水・湖の水を使った本格的な遊び体験ができるという事と、福地ダムが沖縄県民の「みずがめ」という事が重なっていたからです。
そんな水の豊かな東村で、季節ごとに花を楽しんだり、パインアップルを味わったりして東村を満喫していただきたいと思いました。
【ピックアップ】連載・おきなわ41物語/その他の地域の記事
連載・おきなわ41物語
沖縄にはまだ知られていない魅力いっぱい
41、それは沖縄県にある市町村の数です。おきなわ「41」物語では、41市町村のイマの魅力をひとつずつ独自取材。
地元民がおすすめする地域ならではの魅力や是非訪れてほしい穴場スポット、寄り道グルメなど、新しいローカル旅の目的地を紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?
世界自然遺産・やんばるの森が広がる東村には豊かな大自然を満喫するネイチャー体験が満載です。村内に宿泊し、希少な生き物に出会うナイトツアー夜の体験や、村の暮らしを身近に感じられる夕食体験等を通しても楽しみです。これらの体験で東村の魅力を体感していただきたいです!
高橋 明子 さん