連載・おきなわ41物語/自然も味も人も面白いよ!本部町
- 掲載日:
- 2024.07.18
41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。
地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?
季節ごとの沖縄の魅力が楽しめる観光のまち
本部町は、春夏秋冬それぞれの季節ごとに見どころがたくさん。冬季は毎年1月中旬頃から日本一早い桜まつり「本部八重岳桜まつり」が開催され、毎年たくさんの人で賑わいます。八重岳で観賞できる約7,000本の寒緋桜は、圧巻の美しさ。他にも観光スポットを多く有する本部町では、春はフクギ並木の散策、夏は美しいビーチでの海遊び、秋は伊豆味地区でのカーブチー(沖縄原産の柑橘)狩りなど、一年を通じて多彩な沖縄の魅力を感じることができます。
INDEX
| Access |本部町までの行き方
沖縄自動車道か国道58号線を利用して名護市に入り、本部半島を一周する本部循環線か、横断する県道84号線を利用してもとぶ町に入るルートがあります。
循環線は、名護湾を左手に見る開放的な国道449号線、いったん今帰仁村に入って、羽地内海を右手に見ながら北上する国道505号線の2つの海岸沿いルートがあります。
県道84号線は、山原(ヤンバル)の山間の景色を眺めながら、渡久地に至ります。
那覇から本部まで所要時間およそ90分ほどです。
■バス路線の場合
那覇市からお越しになるなら、那覇空港発の「沖縄エアポートシャトル[リゾートライナー]」、「やんばる急行」、「空港リムジンバス」または「系統番号117番高速バス[美ら海直行]」をご利用ください。
| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください
本部町には、沖縄美ら海水族館や備瀬のフクギ並木など人気の観光スポットが点在しますが、今回は、そんな定番スポットだけでなく、まだ誰も知らないような本部町を紹介したい!地域を知り尽くしたみなさんに、ズバリこんな質問をしてきました。
「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」
この問いに答えてくれたのは、一般社団法人本部町観光協会 会長の當山 清博さん。
「本部町は、一年を通じて多彩な沖縄の魅力を感じることができまるまちですが、今回は定番スポットではなく、本部町の新しい取り組み、本部町にはあまりなかった大人数を受け入れられる飲食店やイベントスペース、本部愛の強い人たちなど盛りだくさんな内容でご紹介したいと思います!」と語る當山会長。
では、當山会長の案内で、今まで見たことがない本部町の一面を見ていきたいと思います。
當山 清博さん
一般社団法人本部町観光協会 会長
今帰仁村出身。沖縄県の本土復帰記念事業として、本部町で1975年に開催された、「沖縄国際海洋博覧会」のとき、本部町のグリーンパークホテルに勤務しており、準備段階から終了まで全て関わる。この時の経験を活かし、主に県外で沖縄への誘客業務等に長年携わる。
「やんばるは てぃーち(ひとつ)」を合言葉に、沖縄北部地域の連携と活性化を目指し、北部12市町村の観光協会と沖縄美ら海水族館などを運営する沖縄美ら島財団と共にやんばるチームどんどん協議会を立ち上げ、本部町のみならずやんばるの盛り上げに邁進する。
もとぶ町内観光周遊バス2024(無料)
備瀬のフクギ並木、海洋博公園、本部港など12か所を経由する無料バス
NEW!大人数の受入れ可能な飲食店やイベント施設
①海人の駅 さかなかなさ
②田空ハーソー公園
地元で愛される味&人
①もとぶかりゆしゴールド
②石くびり食堂の田芋てんぷら
③本部町非公認キャラ「りゅうらん」
もとぶ町内観光周遊バス2024(無料)
本部町では、観光客のみなさま向けに無料周遊バスを運行しています。乗車は無料で、環境に配慮した観光地を目指し、電気自動車(EV)バスが導入されました。定員は約30人で、車体には本部町の観光各所などがデザインされています。
【期間】2024年6月1日~2025年2月2日
【運賃】無料
【予約】不要
【運休】無し
運行ルートは、備瀬のフクギ並木からヒルトン グランド バケーションズまで、海洋博公園や本部港など12か所を経由します。
便数は、1日8便。下記繁忙期には、バスを1台増やし14便に増強し夜間も走行します。
※繁忙期期間:8/1~8/31、9月の土日、12/28~1/5、1/18~2/2
停車場所付近のホテルや観光スポット
12か所の停車場所は、「主要観光スポット」、「宿泊施設」、「各種体験ができる施設」が含まれていますので、もとぶ町内観光周遊バスを使って、本部町でのんびりと過ごしてはいかがでしょうか。
では、12か所の停車場所周辺の観光スポットやホテルをご紹介していきます。
A.ヒルトン グランド バケーションズ、B.ヒルトン沖縄瀬底リゾート
C.本部港
D.もとぶかりゆし市場(本部町観光協会前)
一般社団法人本部町観光協会
本部町内の観光パンフレットや地図が多数用意されており、おすすめの観光スポットやアクティビティの紹介も可能です。
- 住所
- 国頭郡本部町字大浜881-1 本部町産業支援センター1F
- TEL
- 0980-47-3641
E.渡久地港
F.本部町営市場
G.もとぶ元気村(マリンピアザオキナワ)
H.オキナワハナサキマルシェ
オキナワ ハナサキマルシェ
モトブでハナを咲かせましょ。沖縄美ら海水族館近く。「アラマハイナ コンドホテル」に併設したグルメとショッピングを融合させたエンジョイスポット
- 住所
- 国頭郡もとぶ町山川1421-5
I.海洋博公園前
国営沖縄記念公園 海洋博公園
1975年に開催された沖縄国際海洋博覧会を記念して、博覧会跡地に設置された国営公園。
- 住所
- 国頭郡本部町字石川424番地
- TEL
- 0980-48-2741
J.ロイヤルビューホテル美ら海【沖縄美ら海水族館最寄り】
K.オリオンホテル モトブ リゾート&スパ
オリオンホテル モトブ リゾート&スパ
沖縄美ら海水族館の隣り。伊江島を望む全室オーシャンビューのリゾートホテル
- 住所
- 国頭郡本部町 備瀬148-1
- TEL
- 0980-51-7300
L.備瀬のフクギ並木(備瀬区公民館)
大人数の受入れ可能な飲食店やイベント会場
本部町は沖縄美ら海水族館や備瀬のフクギ並木など人気の観光スポットが点在しますが、大型バスで訪れる大人数を受け入れられる飲食店やイベント会場が不足していることが課題でした。そんな課題を解決してくれる施設が最近オープンしたので紹介します。
①海人の駅 さかなかなさ
「海人の駅 さかなかなさ」は、本部町の渡久地港北側で、海人が経営する食事処です。近海で獲れた新鮮な海の幸を使ったお料理が自慢で、一番人気は海人定食です。店内にはライブ演奏スペースなどもあり、50名くらいが収容できます。
【住所】国頭郡本部町字渡久地764
【電話番号】0980-43-6612
この度、店舗裏に屋根付きで全天候型の多目的スペース(240平方メートル)が整備されました。テーブルを15台設置し、ゆったりとくつろげる憩いの場所になっています。お土産に「自家製かつおみそ」も購入可能です。
最大収容数は70人。駐車場も広く観光バスでの団体受け入れも可能になりました。民謡などが楽しめるステージも備えており、昼は団体客の受け入れスペース、夜はもとぶ牛などでのバーベキューとビアガーデンの形態で運営します。
具志堅 勝文さん
海生活 marine-life 代表 / 一般社団法人本部町観光協会 理事
海人の駅 さかなかなさのオーナーで、海生活 marine-life 代表も務める具志堅さんは、「本部町の食材を生かし、地産地消で運営する他、様々なマリンアクティビティを提供し、渡久地港一帯の新たなにぎわいをつくっていきたい!」と本部愛・渡久地愛を熱く語ります。
具志堅さんに、渡久地港から渡船で約10分のところにある、釣りイカダやプライベートイカダへご案内いただきました。
プライベートイカダでは釣りだけでなく、シュノーケリングも可能なので本部の海の恵みを独り占めできます。BBQ機材のレンタルもあり、トイレも完備なのでご家族やグループで1日過ごすことができます。本部町一番のにぎわいスポットになりそうです。
【住所】国頭郡本部町谷茶29-72
【電話番号】0980-47-5349
②田空ハーソー公園
田空ハーソー公園は、「子育て支援」「健康づくり」「心と体の憩い」「農業と食」「循環型社会の構築」を運営理念としたコロナ禍でも安心して利用できる公園施設です。やんばるの自然が織りなす原風景と空間、水や食べ物を通して元気を取り戻せます。
【住所】国頭郡本部町具志堅1334
【営業時間】平日8:00~17:30 休日10:00~17:00
【定休日】水曜日
【電話番号】0980-48-3835
【駐車場】大型バス3台/一般車両50台/身障者用駐車場4台
田空ハーソー公園PV
田空ハーソー公園に、最大300席設置可能な多目的屋根施設が完成しました。
今後、舞台の設置、野外コンサートやイベントの開催も予定されており、イベント時はキッチンカーも集結し、敷地内の畑では、パイナップルなどの収穫体験&室内での調理体験も実施されるので、ご家族やグループで1日楽しめます。大型バス3台が駐車可能な駐車場も完備されているので、団体の受入れも可能です。
7月13日にはお披露目イベントが開催され、10組、約40名の方々が田空農場で育てられている、1kg を超えるゴールドバレルパインを収穫し、とりたてのパインを使った試食ジャムづくり体験を行いました。参加者の皆様は、できたて手作りジャムを、オキコパンと一緒に食べて、笑顔一杯でした。
田空ハーソー公園では、夏くだものパインやパッションの生産・販売が実施されています。パッションジュースやカットパイン、ジャムやソース等の手づくり商品も店舗にて販売されており、大好評ヤギミルククッキーもあります。青果物から加工物まで生産販売され、お土産販売等もあります。新設されたドームの下でお弁当を食べたり、水辺で遊んだりの公園遊びを兼ねて是非、田空ハーソー公園に行ってみてはいかがでしょうか。
地元で愛される味&人
最後のおすすめは、地元で愛される味&人です。本部町に来たら是非お立ち寄りいただき、ゆんたく(沖縄の方言でおしゃべりのこと)して本部町の魅力を実感してください。
地元で愛される味:もとぶかりゆしゴールド
もとぶかりゆしゴールドは、本部町産のゴールドバレル(パイナップル)をブランド化したもので、果汁が多くジューシーで芯まで柔らかく食べられるのが特徴です。本部町では、2016年から、糖度15度以上、1.5㌔以上のものをブランド化しており、2020年度は13㌧だった生産量が、2024年度は40㌧を見込んでいます。
2024年7月5日には、もとぶかりゆし市場でもとぶかりゆしゴールドの旬入り出荷式が開かれました。今年は新たに、糖度18度以上、2~3㌔の実を「プレミアム」として発売。生産者によると、今年は連日の暑さで例年以上に甘くておいしい果実に仕上がっているとのこと。地元で生まれ、育てられ、愛されている味です。
出荷式では、本部町産のパイナップルをサンドしたパン「ソフトフランス パイン&バニラ」も紹介されました。このパンに使われているパインジャムは、本部町の農業生産法人もとぷらすが製造したもので、8月末ごろまで、県内量販店やコンビビエンスストアで販売しています。本部町に行けない方も、沖縄県内各地で本部町のパイナップルを味わうことができます。
地元で愛される味:石くびり食堂の田芋(ターンム)てんぷら
石くびり食堂は、先代の松本ヤスさんとお二人の娘さんが営む地元で愛されるお店です。一番人気は、ソーキ、三枚肉、ゴボウとニンジン入りのかまぼこがのった石くびりそば。手打ちの縮れ麺にあっさり味のスープがよく絡む一品です。
そしてもう一品!地元で愛され続けた、ここでしか食べられない一品が、「田芋(ターンム)てんぷら」です。
田芋料理は、大正初期から受け継がれてきた沖縄の欠かせない琉球王朝時代の歴史をしのばす料理で、子孫繁栄を意味する縁起の良い一品です。石くびり食堂の田芋料理は、先代の松本ヤスさんより受け継がれてきた味を再現しています。この田芋てんぷらは、2022年度「100年フード」に認定されました。
※「100年フード」とは、世代を超えて地域で受け継がれる食文化を文化庁が認定する事業です。
揚げたての田芋てんぷらは、外はサクサクで中はホクホクとなっており、お芋の味に甘さが少し感じられるどこか懐かしい味になっています。本部町に来られたら是非地元で愛される一品を味わってください。
地元で愛される人:琉球花魁 りゅうらん
りゅうらんは本部町の非公認キャラで、イベントなどに現れてはみんなを笑顔にしています。
【自己紹介】
あなたの笑顔がみたいからぁ〜今日も笑顔の花咲かせに行くわよ〜
人生楽しんだもん勝ちなの‼︎笑う門には福来る‼︎みんなが笑顔になって免疫力や癒しを与えるのが1番の喜び。
りゅうらんは、オリジナルソングと独特のトークで町内のいろんなところに現われては笑いと元気をふりまいています。
りゅうらんが立ち寄った町内の店舗には、りゅうらんシールが残されているので、りゅうらんを探せに挑戦してみるのも楽しみの一つ‼︎
本人に会えると運気が上がり幸せになると言う噂もあるそうです・・・りゅうらんに会いに本部町に行ってみませんか!?
| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン
【本部町】レンタカーが無くても大丈夫!無料バスで巡る2泊3日の旅
無料バスで賢く本部町を旅しよう!
本部町では、2024年6月1日から2025年2月2日迄、観光客のみなさま向けに無料周遊バスを運行しています。乗車は無料で、環境に配慮した観光地を目指し、電気自動車(EV)バスが導入されました。定員は約30人で、車体には本部町の観光各所などがデザインされています。このバスをフル活用して賢く本部町を旅します。
| comment |一般社団法人本部町観光協会からのメッセージ
一般社団法人本部町観光協会
本部観光のスタート地点!
本部町は、一年を通じて多彩な沖縄の魅力を感じることができる観光のまちです。ここで紹介したもとぶ町内観光周遊バスは、来年の2月2日まで運行していますので、いつお越しいただいても効率よく町内を巡っていただけます。この機会にぜひ本部町にお越しください。
| 編集後記 |おきなわ物語編集部
今回取材で本部町を訪れ感じたのは、「今まさに変わりつつある街」。1年後に控えた大型テーマパークの開業に向けて、受け入れ態勢の準備をできるところから進めているという印象です。今回は、渡久地港周辺を中心に取材をしましたが、今後このような動きが本部町のいたるところで見られるのではないかと思います。そのような意味で、今後の本部町で起こる変化は大変興味深いものになると思います。是非、無料バスにのって嵐の前の静けさの本部町を訪れてみてはいかがでしょうか。
【ピックアップ】連載・おきなわ41物語/沖縄にはまだ知られていない魅力いっぱい
連載・おきなわ41物語
沖縄にはまだ知られていない魅力いっぱい
41、それは沖縄県にある市町村の数です。おきなわ「41」物語では、41市町村のイマの魅力をひとつずつ独自取材。
地元民がおすすめする地域ならではの魅力や是非訪れてほしい穴場スポット、寄り道グルメなど、新しいローカル旅の目的地を紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?