連載・おきなわ41物語/星空にもヤンバルクイナ!国頭村
- 更新日:
- 2024.08.17
41、それは沖縄県にある市町村の数です。
本連載「おきなわ41物語」では、41市町村のイマの魅力を現地ライターが独自取材。
地元民しかしらない地域ならではの魅力や穴場スポット、とっておきの寄り道グルメなど、沖縄をもっともっと好きになってしまうような、唯一無二の旅のアイデアを紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?
やんばる国立公園を有する亜熱帯の豊かな環境
美しい眺望の辺戸岬や、太古のロマンを体感できる大石林山をはじめ、亜熱帯のさまざまな自然の表情を楽しめるのが国頭村の魅力。25.7mという沖縄本島最大の落差を誇る比地大滝や、本島最高峰の与那覇岳、断崖絶壁の茅打ちバンタなどは、やんばる国立公園として指定されているスポットです。壮大な景観で人々の心を魅了し、リフレッシュ&パワーチャージさせてくれます。
INDEX
| Access |国頭村までの行き方
| interview |新たな発見がある、おすすめの目的地を教えてください
国頭村には、比地大滝や与那覇岳など、豊かな生態系を宿した大自然の営みを肌で感じるスポットがありますが、今回は、そんな定番スポットだけでなく、まだ誰も知らないような国頭村を紹介したい!地域を知り尽くしたみなさんに、ズバリこんな質問をしてきました。
「新たな発見がある、おすすめの目的地や新しい楽しみ方を教えてください」
この問いに答えてくれたのは、一般社団法人国頭村観光協会 会長の比嘉 明男さん。
「国頭村は世界自然遺産に登録された、豊かな自然が広がる美しい場所です。6月より村内周遊無料バスの運行を開始し、観光が便利になりました。美しい星空も大きな魅力で、星空保護区の認定も予定されています。国頭村のシンボルであるヤンバルクイナ、保護活動を推進しており、またヤンバルクイナの生態を間近で観察できる施設もあります。」と語る比嘉会長。
では、比嘉会長の案内で、今まで見たことがない国頭村の一面を見ていきたいと思います。
国頭村内無料周遊バス
道の駅ゆいゆい国頭を起点に村内を一周。やんばるのバス旅に出かけよう!
星空
人口約4,500人の国頭村だから観える感動の星空
ヤンバルクイナ
ヤンバルクイナを地域の種として守る取り組み
国頭村無料周遊バス
国頭村では、観光客のみなさま向けに無料周遊バスを運行しています。乗車は無料で、道の駅ゆいゆい国頭を起点に村内を一周するルートを設定し、午前2便、午後2便を運行します。所要時間は、一周3時間半~4時間ほどで、17人乗りのバス3台を使用します。(うち1台はEVバスで水曜の1・3便運行)
【期間】2024年6月10日~2025年3月31日
【運賃】無料
【予約】不要
【運休】毎週火・木曜日/12月31日・1月1日
1周約3時間半~4時間のバス旅。途中下車して観光してもよし、ゆっくりとやんばるの大自然を眺めながらバス旅を楽しんでもよし。どちらも国頭村を堪能できるはずです。
停留所周辺の主な観光スポットやホテル
やんばる森のおもちゃ美術館
人々の暮らしを支える「やんばるの森」を遊びながら感じる体感型ミュージアム
- 住所
- 国頭郡国頭村字辺土名1094-1 国頭村森林公園内
- TEL
- 0980-50-1022
奥やんばるの里
緑あふれる大自然に囲まれながら、自由スタイルで滞在!辺戸岬から車で10分!沖縄本島最北端に佇む沖縄民家風コテージ!全室キッチンを完備しているので、お客様のスタイルに合わせて、のんびりステイ♪バーベキューができるテラスもお部屋に付いています。
- 住所
- 国頭郡国頭村字奥1280
- TEL
- 0980-50-4141
アダ・ガーデンホテル沖縄
世界自然遺産の森、やんばる国立公園内に位置する沖縄最北端にある唯一のリゾートホテル
- 住所
- 国頭郡国頭村 安田1285-95
- TEL
- 0980-41-7070
道の駅 やんばるパイナップルの丘 安波
道の駅「やんばるパイナップルの丘 安波」のコンセプトは、"みち"の駅。
観る、実る、未来、土地、知る・・など、様々な「み」と「ち」に出会う場所として、世界自然遺産に登録されたやんばるエリアの自然と食、文化を感じることができます。
- 住所
- 国頭郡国頭村安波1089番地7
- TEL
- 0980-43-5115
人口約4,500人の国頭村だから観える感動の星空
国頭村は本島の最北端にある自治体です。北部北緯26度に位置し88星座の内82個の星座や21個の1等星全てを見ることができます。春から秋にかけて蛍が飛び交い、やんばるくいなや夜行性の生き物の鳴き声が自然のBGMのように聞こえてくるのが国頭の特徴です。東西に村を囲む砂浜には今でも海亀が産卵に訪れます。
目視できる星の明るさは1~6等級に分類されており、全天(北半球と南半球を合わせて)で約8千個あります。一番明るい1等級の星は全部で21個あり、国頭では21個の星全部を見ることができます。冬の星座おおいぬ座のシリウスが最も明るい1等星です。
目指せ星空保護区
「星空保護区」とは米国に本部を置くダークスカイ・インターナショナルが2001年から始めた認定制度で、光害の影響の無い、暗い自然の夜空を保護・保存するための取り組みを称える制度で、国内では4つの自治体が認定されました。
昨年8月にダークスカイ・インターナショナルの下部組織である星空保護推進機構が村内4つの観光施設(国頭村森林公園、やんばる学びの森、奥やんばるの里、安田くいなふれあい公園)を調査したところ、これら4つの施設は星空保護区に認定された地域に匹敵する「夜空の暗さ」があることがわかりました。
そこで国頭村は、世界自然遺産に次ぐ貴重な自然環境を将来に渡って保存しながら、星空保護を行い、生活に必要な灯を維持しつつ「不必要な光を制限」すること(光害)を目指しています。
国頭村の夜空に輝く【やんばるくいな座】初公開!!
2024年7月5日国頭村の星座として【やんばるくいな座】が制定されました。世界自然遺産の森やんばるの固有種として有名なヤンバルクイナ。その姿が思い浮かぶような星座が夜空に描かれました。
ヤンバルクイナの特徴の赤い目は、赤い一等星(冬はベテルギウスとアルデバラン、夏はアンタレス)をチョイスしています。
日が沈んでから2時間後、特に月明かりのない時に南東のさそり座の方角に見ることができますので、是非星座線をたどってみてください。ヤンバルクイナの鳴き声を聞きながらやんばるくいな座を見ることができるのはやんばるだけ。
やんばる星空ガイドが 案内する星空体験
星空ツアーでは星空ガイドがやんばるの星空の楽しみ方をお伝えします。生き物の鳴き声や森の香りに癒され、星空とともにやんばるのストーリーを感じることができます。
星座や惑星などの天体を見ながら、民話や神話、誕生星座、文化や習慣など星にまつわる話を星空ガイドがやさしく解説します。リクライニングチェアに横たわりながら、森の中を散策しながら、冬にはこたつの中に入りながら星空を案内するなどのプログラムがあります。沖縄三線を引いてくれるガイドもいます。
やんばるの森にだけ生息するヤンバルクイナ
ヤンバルクイナは環境省レッドリストに記載され絶滅危惧IA類 (CR)に指定されています。
毒蛇のハブ退治のため持ち込まれたマングースや、飼い主に捨てられて野生化した猫・犬が増えヤンバルクイナの命が危ぶまれる生態系へと変化してしまったことが原因の一つです。
元々やんばるの森にいるはずの無いそれらの生き物に捕食され、新種発見時に約2,000羽生息していたヤンバルクイナが、2005年には約700羽まで減少してしまいました。
ヤンバルクイナ生態展示学習施設「クイナの森」
国頭村では安田地区が中心になり、ヤンバルクイナ生態展示学習施設「クイナの森」を運営してヤンバルクイナを地域の種として守ることを目的に普及啓発活動を行っています。
「クイナの森」にはヤンバルクイナの生態や生育環境を知る資料ブース、実際に生息するやんばるの森を再現した観察ブースがあります。縄張り意識が非常に強いヤンバルクイナの特性に合わせて、常に1羽のみ飼育・展示しており、9時30分から16時30分の間で約30分間隔で行われるスタッフの解説を聞きながら生態観察することができます。
元々は非常に警戒心が強いヤンバルクイナなのですが、「クイナの森」のヤンバルクイナ「クー太」はお客様の望んでいることを察することが得意なようで愛嬌たっぷりです。水浴びをする様子を見せたり、時折こちら側に近付いてきて「写真撮ってぇ〜」と言わんばかりに見つめてきたりと、ヤンバルクイナと近距離でふれあえることに驚かされます。
ヤンバルクイナ展望台
辺戸岬から大石林山がある安須森を見ていると、遠くの緑の中に大きな何かが?
よ~く見てみると大きなヤンバルクイナ!
そこは展望台になっていて、辺戸岬や与論島、真下の海に打ち寄せる太平洋の青い波と波音が心地よい場所です。
| model course |紹介スポットも回れる、とっておきの旅プラン
【国頭村】無料周遊バスでやんばるの大自然を満喫する2泊3日の旅
美しい眺望の辺戸岬や、太古のロマンを体感できる大石林山をはじめ、亜熱帯のさまざまな自然の表情を楽しめるのが国頭村の魅力。25.7mという沖縄本島最大の落差を誇る比地大滝や、断崖絶壁の茅打ちバンタなど、やんばる国立公園として指定されているスポットを国頭村無料周遊バスで巡ります。また、国頭村は北部北緯26度に位置し88星座の内82個の星座や21個の1等星全てを見ることができます。
| comment |一般社団法人国頭村観光協会からのメッセージ
一般社団法人国頭村観光協会
沖縄方言で「くんじゃん」と言われる私たちの村くにがみ
沖縄本島の最北端に位置し、沖縄方言では「くんじゃん」と言われる私たちの村くにがみ。生命力溢れる森に美しい景色。美味しい地元グルメやゆったりと流れる癒しの時間。くんじゃんの魅力に出会う、とびっきりの旅に出かけてみませんか?
ようこそくんじゃんへ
| 編集後記 |おきなわ物語編集部
今回は、沖縄本島最北端の地、国頭村をバスで巡りました。ゆいゆい国頭から国道58号線を北上しながら、左側には西海岸の青い海と水平線、右側にはやんばるの豊かな山々の風景を楽しめました。辺戸岬で折り返してからは東海岸を南下。やんばるの森を駆け抜けながら、窓を開けると、爽やかな風に癒され、鳥のさえずりも聞こえ、やんばるの豊かな自然が体感できました。所々で見える海は、西海岸とは違う濃いブルーが印象的でした。しばらくすると集落もあらわれ、共同売店で人の姿を見かけると、やんばるで生活する人たちの日常を感じながらゆいゆい国頭に到着し、あっという間の3時間40分でした。これが無料とは驚きです。レンタカーで国頭村まで行き、村内周遊をこのバスで楽しむのもありだと思いました。是非、この機会に国頭村を訪れていただきたいと思います。
【ピックアップ】連載・おきなわ41物語/沖縄にはまだ知られていない魅力いっぱい
連載・おきなわ41物語
沖縄にはまだ知られていない魅力いっぱい
41、それは沖縄県にある市町村の数です。おきなわ「41」物語では、41市町村のイマの魅力をひとつずつ独自取材。
地元民がおすすめする地域ならではの魅力や是非訪れてほしい穴場スポット、寄り道グルメなど、新しいローカル旅の目的地を紹介してまいります。
41の物語とともに、新しい沖縄を再発見してみませんか?