みんな大好き!元気の素
沖縄の食文化には欠かせない「お肉」。いまや県民食となったステーキやブランド肉を使った料理など、ひと口ほおばるごとに笑顔になれるものばかり。みんなの元気の源である食肉を解説します。
牛肉
食肉の王様的存在である牛肉。今では世界で“WAGYU”で通じるほど日本の牛肉は認められています。全国銘柄牛の子牛が主に石垣島産であることもあり、沖縄の黒毛和牛はトップクラスの品質を誇ります。石垣牛や宮古牛など地域ブランドの黒毛和牛が有名ですが、2006年施行の地域団体商標登録制度により、原則的には総称して「おきなわ和牛」と呼ばれています。温暖な気候の中、ミネラルを豊富に含んだ土壌に一年中青く茂る草を食べ、広い牧場で運動をしながら育つのでストレスが少なく上質な肉に育ちます。日本で最も南の島で生産される、南国生まれ南国育ちの和牛です。
主な銘柄:石垣牛、やんばる牛、琉牛王、宮古牛、伊江牛、山城牛、もとぶ牛
豚肉
アグー豚
主な銘柄
あぐー豚、やんばる島豚、琉美豚、パイナップルポーク
沖縄では「鳴き声以外は全て食べ尽くす」と言われているほど、頭から足、内臓や血も料理に使う習慣があります。琉球王朝時代、首里王府から「牛や馬の肉は食べないように」とお触れが出たため、豚の食文化が定着したと言われています。その頃から親しまれてきた在来種が「沖縄アグー豚」で、現在では県内の豚全体の約3%ほどしかおらず、アグー豚の血を50%以上有する勾配種の豚肉は「あぐー」と呼ばれています。その他、県内各地にて銘柄豚が存在し、独自のブレンドによる餌を与えるなど各自工夫を凝らした飼育を行っています。
主な銘柄:あぐー豚、やんばる島豚、琉美豚、パイナップルポーク
鶏肉
地鶏
主な銘柄
やんばる地鶏、石垣黒鳥、久米島地鶏
沖縄における鶏肉の消費は、アメリカ軍占領の歴史などの影響でフライドチキンが定番化され、高まるようになったと言われています。アメリカ発祥のフライドチキンチェーン店の県民一人あたりの消費量も沖縄県が非常に高く、お祝いの席で食されるほど。このような背景と、全国的な地鶏ブームに乗り、牛肉や豚肉に続いて鶏のブランド化も進められています。薬草を配合した植物性飼料で飼育した「やんばる地鶏」やフランス産プレノワールを祖先とする「石垣黒鶏」、ウコンやもろみかすを飼料に加えた「久米島地鶏」など個性派揃いで、差別化を図っています。
主な銘柄:やんばる地鶏、石垣黒鳥、久米島地鶏
その他
山羊肉
沖縄の食文化と肉は深い結びつきがあり、上記の牛肉や豚肉、鳥肉はもちろん、沖縄ならではの食文化として山羊を食す習慣があります。「ヒージャー」と呼ばれ、非常に栄養価が高く滋養強壮効果があることから「ヒージャーグスイ(山羊は薬)」と親しまれ、祝い事があるとヒージャー汁が振る舞われたり、山羊料理店では刺身や肉や内臓、血を炒めた料理も味わえます。また、一部では牛乳アレルギーに悩む人でも飲める山羊ミルクも話題になっています。
イノブタ肉
イノシシと豚の勾配によって生まれた「イノブタ」は、高い栄養価と臭みのない味わいで人気急上昇。国頭村で育った「山原猪豚」というブランドも誕生しています。
鴨肉(アヒル)
アヒルもぬちぐすい(命薬)として食されており、高脂肪で栄養豊富、独特のコクが後を引くと人気も高いとのことです。糸満市の伝統行事である糸満ハーレーではアヒル取り競争もあるほど昔から親しまれています。