泡盛の特徴
泡盛は焼酎のルーツともいわれる国内最古の蒸留酒です。
タイ米(インディカ米)を麹にし、水と酵母を加えて発酵させ、単式蒸留をして造ったもので、この製法は500年も前からほとんど変わっていないといわれています。
その特徴の一つとされているのが「黒麹菌」の存在。殺菌力の強いクエン酸を多く生成するため、高温多湿で雑菌の増えやすい沖縄でのお酒作りにも最適なのです。これは沖縄ならではの麹菌で、お酒作りで使用されているのは泡盛だけ。
また日本のお米ではなくタイ米(インディカ米)を使用するのは、タイ米が硬質でさらさらしているため黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という理由があるからなのです。
そして最大の特徴はなんといっても長期保存によって成分が熟成し、味がまろやかに、香り高くなっていくこと。
3年以上貯蔵された泡盛は古酒(クース)と呼ばれています。
泡盛の歩み
琉球王朝が中国や南方の国々と盛んに貿易をしていた15世紀から16世紀。
外国産のお酒や、蒸留技術や道具などが伝えられたことで、はやくも1470年ころには今の泡盛の原型とみられる酒が造られたといわれています。
江戸時代になると、泡盛は琉球国王から幕府の将軍への献上品として、また中国皇帝からの使者である冊封使をもてなす酒として使われていたそうです。18世紀から19世紀には首里王朝の命により、泡盛造りは首里の赤田、崎山、鳥堀の三カ所でのみ製造されるように。その製造や商売、飲酒が管理されるようになったのです。
一方、祭りや日々の楽しみとして泡盛は庶民にとっても欠かせない存在になっていたため密造や密売も盛んに行われていました。
琉球王府が解体すると泡盛の自由化が始まりますが、第二次世界大戦で生産が一時中断。終戦後、泡盛業界と泡盛を愛する人たちの努力によって、現在では沖縄だけでなく、ひろく日本中で愛されるお酒となっているのです。