名護のシンボル「ひんぷんガジュマル」
ご利益があるといわれる場所をめぐりながら、名護の歴史や文化に触れることのできるこのコース。
最初に目指すのが、推定樹齢320年とも言われる名護のシンボル・ひんぷんガジュマルです。
高さ約19mの大木は国指定天然記念物で、名護のまちを見守るように道路の中央に佇んでいます。魔除けや運気アップなどのご利益があるという言い伝えもあり、注目を集めています。
その樹下には、地元の人から「ヒンプンシー(屏風石)」と呼ばれ親しまれている琉球王国時代に建立された石碑「三府龍脈碑(さんぷりゅうみゃくひ)」が建っています。石碑には風水思想に基づく国づくりの考え方が刻まれており、当時の様子がうかがい知れる貴重な資料となっています。
住宅街の中に息づく祈りの場所
家屋が並ぶ集落の中に、見上げると首がいたくなりそうなほど高く伸びたビロウ(クバ)の木が2本そびえ立っている場所があります。
ここは「アパヌク」という拝所(祈りの場)。ビロウは神聖な木とされており、その昔名護城(ナングスク)に向かう人はまずここで祈りを捧げたと言われ、今でも地元の人たちの大切な拝所です。
ただ歩いているだけでは見落としてしまいそうな何気ない景色の中に、文化や歴史が残っているのです。
動植物の息吹を感じる
名護はさくら(カンヒザクラ)の名所としても有名ですが、ガジュマル緑地公園には沖縄バラの原種と言われるシマバラや、なぜか冬にも花を咲かせるサガリバナ(サワフジ)の木など沖縄らしい植物が植えられており、訪れる四季に応じて様々な草花が目を楽しませてくれます。
また、さくら公園にほど近い場所にあるデイゴの木は、その立ち姿から「めおとデイゴ」と呼ばれ、縁結びや子宝にめぐまれるという縁起のよい言い伝えも。
そのそばを流れる幸地川は淡水と海水がまじりあう川で、さまざまな魚たちが見られます。
運が良ければ「青い宝石」と呼ばれる希少な野鳥・カワセミも見ることができます。
当時の面影を偲ぶまち並み
沖縄の家屋でよく見かけるセメント瓦は名護が発祥の地と言われています。
昭和10年ごろに作られたという県内で最も古いとされるセメント瓦屋(太郎屋)が現存する通りは、先の大戦の戦禍を逃れたこともあって古い街並みをとどめています。
てくてくと歩いて行くと、古民家をそのまま利用したヤギ料理屋さんがあるかと思えば、さらにその先には、地元ビールが楽しめるオリオンハッピーパークの近代的な建物が。名護の今昔が融合した不思議なまち並みが楽しめます。
名護出身の偉人に学ぶ
遠くに名護城(なんぐすく)を眺めながら散策した名護のまち歩きもそろそろ終盤。
最後は名護の歴史が学べる名護博物館前へ。
正面入り口の前には、「名護親方」として知られる沖縄を代表する政治家で教育家・程順則の銅像があります。彼が中国から持ち帰ったという道徳「六諭衍義(りくゆえんぎ)」が刻まれた碑の前では、「人が人として守らなければならない六つの教え」を学ぶことができます。
建物の裏には、樹齢300年近くの名護番所跡のフクギ並木があり、その近くには当時のものと言われる石垣もひっそりと残っています。
ガイドさんからのメッセージ
<コース説明>
●開催期間 通年
●所要時間/90分(10:00~11:30/15:30~17:00)
※上記以外の時間については要相談
●参加料金/大人 1,500円 小人 1,000円(小・中・高)
※2名から催行、団体15名以上は要相談
※催行日の前日(平日17:00、土・日・祝祭日16:30)まで受付
●コース順路
がじゅまる駐車場→国指定天然記念物「ひんぷんガジュマル」・県指定重要文化財「三府龍脉碑」→ガジュマル緑地公園→ハープー前のデイゴ→さくら公園→太郎屋(セメント瓦)・山羊料理屋→オリオンビール前~東江小学校通り→名護博物館(フクギ・程順則像)
●問い合わせ/公益財団法人 名護市観光協会
0980-53-7755