ルート58を那覇から北へ
沖縄ご当地グルメを食べ尽くす旅
その土地の食べものをその土地で味わうときに感じる、特別な“おいしい時間”。
それを求めて、いろんな場所に出かけることが二人の趣味。
そんな「旅といえばグルメ」な私たちが向かったのは、沖縄本島を南北に走る“ローカルロード”、国道58号線。
そこには私たちの心をわしづかみにするスイーツやソウルフードとの出会い、お店の人のこだわりや素朴な人柄に触れる幸せな時間があった。
ふわふわかき氷にのせられた、
店主こだわりの自家製シロップに感激!
最初のグルメは、沖縄で評判のふわふわかき氷。「売りきれ次第終了」と聞いていたので店のオープン直後に着くように向かった。那覇市内から車で約40分、58号線沿いのかき氷店「氷ヲ刻メ」は、現役総合格闘家の店主が1人で運営する知る人ぞ知る専門店。店主が日本各地のかき氷を食べ歩いて見つけた理想の風味。細やかに手作りされた生クリームやシロップ、削るときの氷の硬さにもこだわりがあるそう。
時間をかけて丁寧につくられた「イチゴのフロマージュ」が目の前にやってきた。口に含んだ瞬間、かき氷とは思えないなめらかな食感にびっくり。雪山にとろりとかかる生クリーム、ミルクシロップ、フレッシュな味わいのイチゴピューレが涼やかで甘いハーモニーを奏で、食感も口どけも全部がふわふわでスプーンが止まらない。
秋にはかぼちゃのピューレなど季節の食材を使ったメニューも並ぶと聞いて、また来たい!と思った。
表面はサクッ、中身はふわっ!
揚げたての甘みが美味しいサーターアンダギー
沖縄伝統の揚げ菓子・サーターアンダギー。厨房の揚げたてをすぐ店内で販売している専門店があると聞き、左手に海を眺めながら北上する国道58号線の途中で立ち寄ってみた。
店内では、陳列されたサーターアンダギーの種類の多さに驚いた。プレーンや黒糖味だけでなく、紅芋、かぼちゃ、チーズ、モカなど8種類もある。すぐそばのガラス越しの厨房では、ホクホクのサーターアンダギーが次々と揚げられていく。
表面はサクッ、中身はふわっとした食感。優しいけどしっかりした甘みが口中に広がっていく。揚げたてってすごい。ついつい食べすぎちゃう、やみつきになる美味しさ。すっかりサーターアンダギーのとりこになってしまった。
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琉球銘菓 三矢本舗 恩納店
住所:沖縄県国頭郡恩納村恩納2572-2
電話番号:098-966-8631
FAX番号:098-966-2253
営業時間:9:00〜18:00
休業日:無休(年末年始を除く)
アクセス:那覇空港から車(一般道)で約1時間30分
沖縄自動車道:屋嘉ICから車(一般道)で約20分
路線バス:恩納村役場前バス停から徒歩すぐ
これぞ居心地いい大衆食堂
名物「牛肉そば」で至福の昼食
ランチはここでと決めていた「前田食堂」。評判の味だけでなく、沖縄ならではのアットホームさもずっと気になっていた。穴場の店としてこの日も地元客は多かった。
券売機で名物「牛肉そば」のチケットを買って席へ。テーブル席と座敷のある店内は、沖縄の家庭の味を味わえる大衆食堂といった雰囲気。「はい、おまたせ」とやってきた店主の女性は人懐っこい笑顔を見せてくれた。
麺が見えないほど、牛肉ともやしがのっている! 胡椒でスパイシーに炒めたシャキシャキもやしと牛肉、ネギの具、スープは豚骨とソーキを煮付けしたダシをブレンドしたさっぱりとした味わい。箸が進んで一気に平らげてしまった。店主によれば、牛肉そばは、沖縄そばをアレンジした創業当初からのオリジナルメニューだそう。
彼が選んだニンニクの効いた「牛肉おかず」と「てびち(豚足の煮つけ)」も美味しくて、胃袋をつかまれてしまった。店主の笑顔で居心地もよく、思い出に残るランチだった。
ここでしか出会えない国頭村の
ご当地スイーツをおみやげに!
休憩をかねて「道の駅 ゆいゆい国頭(くにがみ)」にある「Yui Cafe」へ。お腹も満たされたところで、やっぱり目が行くのは甘いもの。
店のショーケースには、国頭村産の安納芋を使ったパウンドケーキ「いもがたり」や地元茶「おくみどり」を使ったチーズタルト、果物系スイーツなど、地域食材入りのご当地スイーツがたくさん並んでいた。迷っていると、「当店はシュークリームが人気です」とオーナー。シュー生地の上に手づくりのちんすこう生地をのせて焼いたクッキー生地に、宮古島産黒糖と生クリームを混ぜたクリームを入れたオリジナルは、遠方から買いに来る人も多いとか。ひと口食べると、甘みとともに今まで食べたことのない独創的な味わいが広がり、評判の良さに納得。
「Yui Cafe」を後にし、ドライブも沖縄本島の最北端・辺戸(へど)岬まであと少し。左手に紺碧の海を眺めながらドライブして、二人でご当地グルメを堪能できた1日だった。