HISTORY

個性的な沖縄史にタイムトリップ
古代から戦後まで歴史を探訪する旅

歴史が好き。とりわけ城や刀や戦国武将が大好き。
これまで各地で城めぐりを繰り返してきたけど、沖縄では城をグスクと呼ぶことさえ今まで知らなかった。
どんなグスクなのか実体験したくて、初めての沖縄へ。
せっかくだから沖縄の歴史を時系列に、古代から戦後史までめぐるプランを立てて旅してみた。

01

まるでロゼッタ・ストーン!?
謎が謎を呼ぶ古代沖縄の石板

最初にやって来たのは「沖縄県立博物館・美術館」。ここには、古代エジプトの象形文字が記された石碑ロゼッタ・ストーンの沖縄版ともいわれる石板があるとのこと。

グスクを表した外観の博物館・美術館に入って、考古部門に足を運んだ。ガラス越しに、絵のような、記号のような線が刻まれた4つの石板が並ぶ。いまだ意味や用途が解明されていなくて、それぞれの発見地は県内の別々の場所で、石の材質も違うとのこと。線や形をじっと見て、これを作った人や目的に想像をふくらませる。

九州と交流があった可能性もうかがえるという土器の文化の展示を眺めて、ふれあい体験室では土器のレプリカに触ることもできた。世界の架け橋を意味する「万国津梁(ばんこくしんりょう)」が刻まれた指定重要文化財の首里城正殿の鐘や、手仕事の技術の展示など、見どころが多い。なにせ展示数3000点。時間を忘れて、古代の謎とその後の接点を考えながら見て回る。本土、中国、アジアの国々などとの交流を重ねながらも、沖縄にはオリジナルの文化と歴史がありそうだ。

  • 沖縄県立博物館・美術館

    住所:沖縄県那覇市おもろまち3-1-1
    電話番号:098-941-8200
    FAX番号:098-941-2392
    営業時間:火~木曜日・日曜日9:00~18:00、金・土曜日9:00~20:00(入館は各30分前まで)
    休業日:月曜(祝日、振替休日、慰霊の日の場合は開館し、翌平日が休館)、メンテナス休館日、年末年始
    観覧料:一般530円、高大生260円、県外小中生150円
    アクセス:那覇空港から車(一般道)で約30分
    路線バス:おもろまち3丁目バス停から徒歩で約5分
    那覇都市モノレール:おもろまち駅から徒歩で約10分

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02

海外貿易の拠点として栄えた
最古級のグスクで偉大な沖縄史に触れた

沖縄でグスクと呼ばれる城跡をついに目にすることができた。全景を見上げた第一印象は、思っていた以上にかっこいい!小高い丘にそびえる勝連城跡は、いわゆる天守閣のある日本の城とは別物。

ここは県内に5つある世界遺産のグスクの中で最も古く、15世紀の琉球王朝時代に奄美大島や本土、朝鮮との交易によって勝連を繁栄させた10代目城主・阿麻和利(あまわり)の居城だったという。断崖につくられ、難攻不落の「鉄壁の城塞」とも呼ばれたそう。

目を見張るのが「布積み」による流麗な石垣。石垣のつぎ目を手でなぞりながら、過ぎ去った時に想いをはせる。グスクの坂を上りきったところで「御嶽(うたき)」と呼ばれる神聖な祈りの場を見つけた。寄り添うようにたたずむ岩は勝連を守る霊石なのだそう。お城好きとして、いにしえの沖縄の崇拝文化も感じられる貴重な体験ができた。

  • 勝連城跡

    住所:沖縄県うるま市勝連南風原3908
    電話番号:098-978-7373
    営業時間:9:00~18:00
    休業日:無休
    アクセス:那覇空港から車(一般道)で約1時間30分
    沖縄自動車道:沖縄北ICから車(一般道)で約20分
    路線バス:勝連城跡前バス停から徒歩すぐ

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03

約500年前につくられた
首里金城町石畳道を歩いて時空散歩

次に訪れたのは那覇市内。沖縄の古民家が建ち並ぶ間に、グスクと同じ琉球石灰岩を使った「首里金城町(しゅりきんじょうちょう)石畳」が残っていた。今も日常的に使われている歴史ある石畳を歩いていると、いつの間にか心はいにしえの沖縄へ。

お城好きとしては、やっぱり石積みにも目がいく。大小の岩を組んだ「乱れ敷き」、石垣の「相方(あいかた)積み」を見つけると気分はますます高まっていった。

少し急な勾配を上っていると、途中にガジュマルの木が立っていた。そばに赤瓦屋根の「首里金城村屋」という古民家風の休憩所があったので、お邪魔してひと休み。ガイドブックを見ると、この石畳は1522年頃につくられたそう。何代にもわたる沖縄の人々の往来を支えて、磨かれてすり減った石畳。悠久の時を少しでも感じ取れるようにと、そっと手を置いてみた。

  • 首里金城町の石畳道

    住所:沖縄県那覇市首里金城町2丁目、3丁目
    アクセス:那覇空港から車(一般道)で約40分
    沖縄自動車道:那覇ICから車(一般道)で約25分
    路線バス:首里城公園入口バス停から徒歩で約10分

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04

沖縄市の戦後史を伝える展示館で
アメリカと沖縄のチャンプルー文化の源流にふれる

旅の締めくくりに向かった先は、アメリカンな雰囲気が漂うコザゲート通りにある「沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリート」だった。資料を見ると、コザゲート通りは嘉手納基地のゲート前に形成された特異な「門前町」で、ヒストリートは沖縄市の戦後史に焦点を当てた資料館とのこと。

館内に入ると、戦後の社会と生活の展示物がたくさんある。昔の米兵相手の歓楽街センター通りのジオラマをのぞきこむと、復帰前、飲食店やホテルなどに米軍人が入っても良いという許可証Aサインをもつ店が約70軒くらい並び、賑やかな街の風景が広がっていた。ここが沖縄?と驚いてしまった。他にも、コカコーラの瓶を利用して作ったコップなどの生活用具の紹介など、まさに沖縄の戦後史を知るにはうってつけの場所と思えた。

訪れたどの場所も個性的で新しい発見がたくさんあった。本土では味わえない特別な沖縄史の追体験は、私の歴史観を大きく広げてくれた。これだから歴史スポットめぐりは面白い。

  • 沖縄市戦後文化資料展示館 ヒストリート

    住所:沖縄県沖縄市中央2-2-1 タサトビル1・2F
    電話番号:098-929-2922
    営業時間:10:00~18:00
    休業日:月曜、祝日、慰霊の日、年末年始
    アクセス:那覇空港から車(一般道)で約55分
         沖縄自動車道:沖縄南ICから車(一般道)で約5分
         路線バス:胡屋バス停から徒歩で約8分

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掲載日:
2019.10.30

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